大阪高等裁判所 昭和49年(う)275号 判決 1974年5月31日
主文
本件控訴を棄却する。
理由
本件控訴の趣意は、弁護人梅田満作成の控訴趣意書記載のとおりであるから、これを引用する。
論旨は、量刑不当を主張するのであるが、所論にかんがみ記録を精査して検討するに、本件は人身事故を起して自動車運転免許を取消された被告人が、魚釣りに行くため無免許で軽四輪貨物自動車を運転し、時速約九〇キロメートル(法定最高速度六〇キロメートル毎時)で走行中、交通取締中の警察官から停止を命じられるや一時減速したものの直ちに加速し、パトロールカーの追跡から逃れるため時速約一〇二キロメートルで走行したという事犯であり、被告人には無免許運転による罰金の前科が一犯あるほか、業務上過失傷害、道路交通法違反により懲役五月、二年間刑執行猶予の言渡しを受け本件はその一か月余にして行なつたものであることを考えあわせると犯情は悪質であり、所論の諸事情を参酌しても原判決の刑が重すぎるものとは考えられず、論旨は理由がない。
よつて、刑事訴訟法三九六条により、主文のとおり判決する。